はじめまして。弁理士法人福柳国際特許事務所の後藤と申します。
本ブログにお越しいただきありがとうございます。
本ブログでは、複雑怪奇な知的財産について、ざっくりとふんわりと感覚的に理解していただくために解説を行っていきます。
このブログを立ち上げたのには理由があります。
この仕事を始めて20年近くになりますが、知財に慣れない方々とお仕事をさせていただくことも少なくありません。お仕事をご一緒させていただく際に、書類をお渡しするのですが、例えば特許の明細書案、全てを解説するわけにもいきませんし、お互いにその時間を設ける余裕もございません。解説を長々と記載しても、そのボリュームの大きさにやはりクライアントは混乱してしまいます。
どのように我々が伝えたい知財の情報を理解していただけるか、これは実は我々の仕事で最も難しい課題です。完全とまではいかなくてもある程度理解していただかないことにはクライアントは適切な判断を下すことができなくなってしまいます。そして、知財に慣れていらっしゃらない方は、我々から見てもわからずに混乱されているのが見て取れるのです。
なぜうまく伝わらずお互いに困ってしまうのか。いろいろと考えましたが、それは我々が正確かつ丁寧に情報をお伝えしようとしてしまうことに問題があると考えています。どうしても法律用語を多用して分かりづらい文章で情報をお伝えすることになってしまいます。そうすると、どうしてもその文章の根底にあるざっくりとしたイメージをお伝えするのが難しくなってしまいます。とはいえ、業務で不正確に情報をお伝えすることはなかなかできません。この問題は、なかなか業務中で解決することは容易ではありません。
そこで、実務を補完するものとしてこのブログを設置することを考えました。特許事務所とのやり取りの中で問題に直面したクライアントの皆様にご覧いただき、特許事務所との間の情報交換をスムーズにすることが本ブログの目的です。
このブログでは、知財に慣れた我々が有する知財のざっくりとしたイメージを解説することにしました。お伝えするイメージは、ざっくりとしているが故、場合によっては不正確となります。しかしながら、ざっくりとしたイメージをつかんでいただくことにより、依頼する弁理士とのコミュニケーションが円滑になると考えています。
正確な知的財産についての解説は、私よりずっと優秀な弁理士・弁護士の先生方が執筆された記事がインターネット上にも数多く存在しておりますから、これらをご参照ください。
また、本ブログでは、特許を中心に取り扱います。そして、その多くの記事は実務に沿って解説を行います。
外国特許については、少し触れますが、話が複雑になって混乱を招きかねませんので、多くは言及しません。
特許事務所に仕事を依頼したけれども、弁理士の説明や書類の内容がわからずにお困りの中小企業・スタートアップ企業の方々、駆け出しの企業知財部員の方々、そして特許事務所でのキャリアをスタートさせたばかりの方々、などなど知財にまだ慣れていらっしゃらない方々が、本ブログで問題をいくつか解決できれば幸いです。